文房具ものがたりのページ

チャルカ印の文房具たちの誕生エピソード。

お道具箱

箱というのは、とっても魅惑的な存在。
空箱ができたとき、何を入れようかしら、と
ときめくのは私だけではないはず。
箱に仕舞いたいものは人それぞれで、同じ箱でも
人それぞれの好きなものが凝縮した宝箱ができあがる。
とっておきを仕舞うのにふさわしい化粧紙....
それは、チャルカが大好きなチェコのワックスペーパー!



FH010012.JPG第一弾サンプルは、どうみてもお饅頭の箱だった(笑)。
もっとこうして、もっとああして、
あれこれリクエストして、無事、納品。
あれは4月のこと。

久保が販売前に、フライングをして
ビーズ教室の材料と道具を詰めて、
通い箱にしたところまではよかったのだが...
数回通っただけで、底が角や縁が傷んでしまった。

これじゃあダメダメ。
それからが試行錯誤の連続だった。

第一関門は、ロール紙として輸入している、
くるくるのクセがついたワックスペーパーが
工場で加工しやすいまっすぐな紙にすること。

第二関門は、底の四隅に貼るコーナー。
金具問屋をあたるも、理想のサイズはなく、
オリジナルの紙コーナーをつくることから再チャレンジ。

第三関門は、その紙コーナーを貼り付ける方法。
なにしろ普通の両面テープやボンドではつかないワックス加工ですから...

そんなこんなのハードルを乗り越え、誕生したのは、7月のこと。

目下の悩み事は、何をいれよう? どこに飾ろう?ってこと。



FH010002.jpg


FH010015.JPG

アジ紙のかけらで作ったタグ

tagu.jpg
ケーキを焼いたら、型からはみ出したかけらがこんがりとおいしい。
布も、リボンも、何かを作ったあまりの小さいきれっぱしまで使い切ろうとする。
こんなふうに、かけらやきれっぱしに執着してしまう。
もうそこにはなくて見えないだけに、おおもとの全体が気になるのか。
ということで、かけらすら気になって捨てずに仕舞い込んでおくチャルカの新商品はズバリ!『アジ紙のかけらで作ったタグ』。
使いさしの紙、ある程度まで小さくカットされていた紙、古道具屋で食器の間にはさまっていた紙などなど。
そのままでは中途半端な存在だった古い紙切れを、いつか何かにしようと溜め込んでいたが、アジ紙本の発売を機にやっと日の目を見ることに。
アジ紙のかけらをハトメでタグに留め、ロウ引きのひもをつけて、と考えたまではよかったがこれが全て手作業。
辛抱強くひとつひとつ仕上げてくれる内職さんにお願して作ってもらった。
はい、今回もなかなかええ商品ができました!
世に送り出すのは5月頭。
かけらの愛おしさを味わってください。

チェコのしゃりしゃり薄紙帳

usugami.gif文房具問屋の梱包資材コーナーで薄紙を見つけたとき、買おうか買うまいか、ずいぶんと迷った。
数キロ単位でまるめられているうえに、紙の端が破けたり折れたりと、状態がよくない。
紙で製品を作る時の条件は、平らな紙で端が揃っていて1枚が薄すぎないこと。
言い換えれば、平らでなく、揃っていない極薄の紙では製品は作れないのだ。
でもでも薄紙好きの紙フェチのチャルカは、このどうなるかわからない紙を「いつか何かにしてやるぞ!」と気合いだけで日本に待って帰った。
まるくなっている紙を倉庫で広げて時間をかけて伸ばし、アイデアを温めて練って待つこと2年。
製本屋のおっちゃんが、この手作業に近い製本作業を引き受けてくれた。
薄い紙100枚で1冊。
その100枚のあいだに、いろんな柄がでるように紙を藤山とシャッフル。
しゃりしゃり音をたてながら、けっこういい運動。
平らな状態で紙を製本屋さんに運び込み、結局、紙が薄すぎて数を数える機械にはかけられず、人力で100枚カウント。
あちこちで人を手を借り、それは普通では信じられないほどの手間がかかっている。
仕事という気持ちだけではこんな製品はありえない。
おもしろそう、どんなのになるか見てみたいから、自分が欲しいから、そして、「しゃあないですな〜」と苦笑いしながらそれでも「大手に出来んことしなはれよ」と応援してくれる製本屋さんの気持ち。
『しゃりしゃり薄紙帳』はそんなみんなの気持ちの結晶だ。
春には出来上がる『アジガミ本』のお供として、チャルカがどんなに紙が好きかを物語る出来栄えとなった。


餅屋に餅をつかせないなんて<アジガミの手紙セット>

封筒を作る会社の専務に来ていただき、封筒のカタチに断裁してそこでストップ、という仕事を頼んだ。
「へっ」ってな顔をされたので「専務、口開いてますよ」と教えてあげて、強引に話を進める。
チャルカの無理難題には免疫ができている付き合いの長い専務でさえ、今回はいつもの数倍びっくりされたようだ。
しかも、使いたいのはチェコから持ち帰った、おもいっきりラフな紙。
まるで手漉きの紙のような佇まいの、厚みにムラのある紙で、こういう紙はものすご〜く断裁機泣かせなのだ。
十分知ってるし、こんな紙を持って帰ったら専務は職人さんに小言だらだら言われるんだろうな、とわかっていつつも、紙の魅力には勝てないチャルカ。
すんません、と専務に頼み込み、「もう2度とやりませんよ」「今回だけですよ」と言われながらも協力してもらった。
数日後に「ほんまにこんなんでいいんでっか?」と差し出されたサンプルを見て、「かわいい〜、めっちゃいい!」と大興奮の私たちに、専務またまた口がポカン。
なぜこれをいいと言うのかまったくもって不思議なようで、「どうしたらいいか教えてください」とサンプルを託して帰っていかれた。
専務の売れる物の価値観を惑わせ、困らせ、あきれさせた新商品の名前は『アジガミのお手紙セット』。
紙好きのチャルカが、世の紙好きさんにおくる新商品とは、手触りがある便せんと、折って貼って封筒になる紙の詰め合わせ。
シャリシャリ、ザラザラ、五感をフルに使って楽しむ刺激的なお手紙セットです。

包装紙封筒

包装紙封筒は、いちばん古いチャルカ印の文房具。
 久保と藤山がチャルカをはじめる前、まだ近所のともだちを集めてフリーマーケットをしていたころ、ふたりのブースの目玉商品として開発....いえ、思いついたのがこの包装紙封筒でした。
 まずイエローページを見て封筒屋さんに電話。その電話に出たのがたまたま会社の専務さん。古い包装紙を持って会いにいった。「この紙で封筒をつくってみたいんです」「包装紙で封筒をつくったことはありまへんな。こんなもんが売れまっか?」「わかりませんが、いいと思うんです」「ほな、どないなもんか、サンプル作ってみましょか」。自らカッターとのりを持ってサンプルをつくってくれた専務いわく「はじめてこんなことしましたわ。封筒づくりの原点に戻れたっちゅうか...ほんま、先代の気持ちがわかったような気がしましたわ」。
 外国人にウケていた寿司屋の包装紙や、どぎついジェリービーンズ柄、ゼブラ柄ノいろんな変遷を経て、行き着いたのがいまの超厳選柄。ここまで定番商品になるとは、専務だけでなく、わたしたちも想像しなかったこと。包装紙封筒はチャルカ印の文房具の原点なのです。

ダブルデッカーノート

二番目に産声をあげたチャルカ印といえば、ダブルデッカー。縦長のリングノートを開くと、ノートの上下が分かれている、あの定番ノートです。  実は、チャルカのオープニングのパーティーで、お客様に持ち帰ってもらうために、さくさくっと考えた記念品でした。きっかけは、封筒の工場のすみっこに積み上げられていた端紙。捨てられてしまうというので、10cm角にカットして頂戴することに。捨てられる運命だった色とりどりの紙をリサイクルできるなんて!それだけで、もうわくわく。いろんなアイデアがでてきました。  まずはダブルデッカーノート。この紙を上下2段に積んだ、色とりどりのノートをつくろう!しかもノートを留めるゴムまで色とりどりにして、世界に一冊だけのノートをつくろう!と、オープニングパーティーの前日、せっせとみんなでゴムをはとめ留めしたのを思い出します。懐かしい。  懐かしついでに余談ですが、オープン当時、その工場から救出した紙を使って、事務所(店の奥半分は事務所でした)で何を手作りしていたかというと、がっつり束ねただけのメモキューブや、50〜60cmに紙を積み上げて一面を糊付した(糊の部分に海外の新聞などをコラージュして)メモタワー。どちらも今はなき商品ですが、ご存知の方がいらっしゃったら、かなりのマニア。表彰させていただきたいぐらいです。

ファブリックシリーズ/グリッドノート

老舗の製本屋さんと意気投合。オープン直前、新しい文房具をつくろう!と、夜遅くにピザを食べながら作戦会議をしました。  まずリクエストしたのは、チャルカカラーのオレンジ色で5mm罫を印刷した、しっかりした厚みのあるノートが欲しい!ってこと。そしてできあがったのは、カラフルな4色展開の紙の表紙の、背中を茶色い布で巻いた、機械では作れない形のノートでした。使ってみて、糸綴じ製本の丈夫さ、使いやすさにびっくり。すぐにわたしたちのお気に入りとなりました(職人さんがいなくなってしまったり、紙が製造中止になったり、で、残念ながらいまでは廃盤)。  さて、その時にたくさん余ったのが、オレンジ罫を印刷して糸とじされたノートの中味。それなら、同じ中味を使って、スペシャルなノートをつくれないかしら? たとえばお気に入りの生地を表紙に張るとか? またもやピザをぱくつきながらの思いつきで、ファブリックシリーズは生まれました。  当時は、生産する冊数もごくごく数冊だったので、一冊分ずつ違う生地を裏打ち(製本の糊がつくように布の裏に紙をはりつける)し、一冊ずつ製本するという、全行程が手作業。いまから思えば、なんという贅沢な! 以来、少しずつ進化しながら、表紙を飾った柄は100種類を軽く超え、チャルカの買付けノートとして欠かせないノートとして君臨しているわけです。  いまでも製本は相変わらず職人さんの手作業ですが、裏打ちは機械化。さすがに世界に一冊しかないノートというのは作れなくなってしまいましたが、今でも蚤の市などで出会ったヴィンテージファブリックを使っているので、一柄あたりできあがるのは数十冊。「次の買付けでどんな柄のノートを使いたいかなあ」という個人的な想いを胸に、これからもチャルカは生地を探し続けるのでしょう。

ペンケース

ファブリックノートとお揃いの生地で、ペンケースをつくりたい! なんとなくイメージにあったのは、小学生のころに使っていたような、ずんぐりした形。  具体的には……えんぴつや20cmものさしが入るように、長さが決まりました。中身がとりだしやすいように、ファスナーを開けたまま自立するように、それからたっぷり入るようにと、底にマチをとることに。内側に縫い目が見えないように、茶色のキャンバス地を裏生地につけることにしました。生地が主役ではあるけれど、控えめにチャルカ印を入れようと、チャルカの頭文字「C」だけを刺繍することにしたのです。  できあがったサンプルはイメージ通りの、ずんぐりさん。
「ええやん」
以来、定番の形ではあるけれど、毎回、柄を変えて登場し続けています。
 大変なのは、柄選び。ペンケースの大きさになったときに映える小さめの柄でなくては。ビンテージの生地が入荷するたびに、想像力をフルに働かせて、柄を厳選しています。そして、どんな風に仕上がるか、わくわくしながら工場へ送り出すのです。  いつも仕上がったペンケースたちは良い意味での裏切りがあります。工場から届いた箱を開けるときは、スタッフが大集合。想像を越えたかわいさにひと盛り上がりします。なぜかその時の台詞は「私ならこれ」「私はこれだな〜」「え?また買うの?」。チャルカスタッフに、ペンケースコレクターが多いのはこういうわけなんです。

ものさしえんぴつ

「えんぴつが欲しい」
 パソコン全盛時代になぜえんぴつなのか?それは、普段はボールペンを愛用しているチャルカも、何かアイデアを練るときは、断然えんぴつ派。よし、やるぞ、という気合いとともに、全えんぴつを削るところからはじめたりするものです。だから、時代に逆行していることを自覚しつつも、えんぴつが欲しいと思いついた次第。  えんぴつ工場の捜索を開始。調べると、東京の下町に、えんぴつ工場がいまなお残っているらしい。片っ端から電話。ところがよくある話で、どこもものすごい量でないと工場を動かしてくれない。さっぱり相手にしてもらえない。でも、捨てる神あれば、拾う神あり。唯一一軒だけ、小さな(といっても多いんだけど)ロットで引き受けてくれたのです。  さて、どんなデザインにするのか。こどものファンシーえんぴつでもなく、大好きな三菱さんやトンボさんの王道のえんぴつとも違う、チャルカらしいもの。それが問題。悩んでいたときに、ふと目に入って来たのが、その当時、ベルリンの蚤の市で出会った、カラフルなくるくる巻きのメジャー。「おお、これだ!えんぴつでありながら、ものさしにもなるなんてスバラシイ!」そのスタンダードな数字、ビビッドな色遣いからヒントをいただいて、緑、黄、オレンジ色の初代ものさしえんぴつ3色が生まれました。  いま登場している紫、青緑、ベージュの3色は二代目。二代目となると、少しわがままに遊びたくなるもの。ものさしデザインはそのままに、自分たちが持ちたい色に変更しようということに。持ちたいえんぴつの色を色チップで出していくと、どれもこれも地味な色ばかり。頭の中に浮かんだのは、チェコのデッドストックえんぴつにありそうな、黒い絵の具を少し混ぜたような色。その色に満足すると、さらに欲が.....えんぴつのおしりに消しゴムをつけたくなったのです。こうして、ポップなベルリンカラーが、くすんだ東欧カラー、消しゴムつきになって再デビューしたというわけです。  さて、三代目はどんなえんぴつになりますことやら。

ラベルブック

ときどき画家のnakabanがあそびにきてくれる。そのときに次はいっしょに何をつくろうか、どんな文房具がほしいか、という話をする。
 ある日、話題にのぼったのは、A4サイズの絵の原稿を送るときにちょうどいい大きさの封筒がないということ。そうそう、雑貨ではなく、業務用みたいなタフな存在で、ざくざく日常遣いできる、シンプルだけどクセのある定番の顔した文房具。そんなのって、ありそうでないよね〜、ないない〜、という話の展開。  そこでいろいろ候補にのぼった中から、わたしたちがいちばんピンときたのは、ラベル。ただ枠が描かれただけの紙だけど、それをノートやジャム瓶なんかに貼って名前を書いてあげるだけで、とても大切なノートやジャム瓶になる。一本線を引くだけでも、隠そうと思っても味を出してしまうnakabanだもの。きっとすてきな枠になる。そうと決まれば、どんな紙?どんな形?どんな大きさ?どんな線?抽き出しの中から、ざくざくでてくる海外の蚤の市で出会った古い紙ラベルたち。  裏は水糊つき!紙からはみでたような活版印刷で!額縁みたいなの?丸?楕円?六角形?赤もいいね〜、黒もしぶい。  こうして散々盛り上がった末に、おちついたところは...ごくごく装飾を省いたシンプルな線で、色は賢そうな紺色で、水糊は日本ではできないらしいからシール仕様で、小さな本のような綴りもの、という現在のかたち。ラベル自体はすぐに決まったが、あれこれデザインを迷ったのは、中味よりもむしろカバーのデザインだった。使用サンプルにもなるような題字を入れたいと、数パターンのアイデアを出してもらって、いちばんそそる文字を選んだ。  何でもざくざく使えるという謳い文句の通り、チャルカの事務所では何でもかんでもこのラベルが使われて、増刷も数回。いまではすっかりチャルカ印の文房具の立派な定番に。そろそろラベルブックの進化形もほしくなってきたところ。ラベルブックの第二弾はもちろんのこと、nakabanが提案してくれたチャルカ業務用ブランド案も、のんびり企画をあたため中。

▲ページのトップへ戻る


Copyright © 1999-2010 CHARKHA All Rights Reserved.