
ちょうど私のオーダーを作っているところらしく、見せてもらうことに。
他の人が帰った後も機械を動かし、クノフリークのボタンを作っている理由。
それは手のかかる注文だから。
シャツのボタンが得意で、色には凝っているけれどもデザインはあっさりとしたものが多いこの工場で、うちのボタンは「気むずかしちゃん」と呼ばれている。
模様や形を削るのに時間がかかり、工場に3台しかない高価な機械を独り占めするから、らしい。
コンピュータで図面を起こし、それをレーザーで削る。
細かい模様やラインを削る様子は、研磨の針が動いてないのかと思うぐらい。
同じところをジジーと攻めて辛抱強く模様を掘り出している。
普通のボタンの3〜8倍の時間がかかる、と言われた。
こういう場合、面倒くさくてもうやらない、って言われることが多いので、針先を見つめながらドキドキ。
そんな私の心情を見透かしたように社長がニヤリ。
「小さな注文だから心配しなくて大丈夫。イタリアの大きな注文の合間にやってあげるよ」と。
「それに、うちの娘がなぜか日本に興味があって、日本語の勉強もしてるぐらいだから、いつか君にお世話になるかもね」
お〜それはいいねぇ。

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