チベットでダライ・ラマの住まい、ポタラ宮に行ったときのこと。
富士山ぐらいの高度の所で、長い石段を一段ずつ歩いて上がった。
空気が薄いから普段の何倍もしんどい。
ゆっくりゆっくり。
ふと右手を見るとポタラ宮の窓に洗濯物がほしてある。
世界遺産建造物の窓にたなびく、お坊さんの赤紫の布。
一緒のツアーのメンバーはラサ市内を見下ろし、ポタラ宮を見上げている。
その横で洗濯物をカメラにおさめた。
ロープにひらひら洗濯物。
この風景は私にとってしあわせのシンボル、生活のバロメーター。
だって、いそがしかったら洗濯は後回しになるし
差し迫ったら洗濯しないでしょ?
今住んでいる長屋のベランダで洗濯物をほすのは、休日のおたのしみ。
BGMはお向かいのおばあちゃんのなんちゃって詩吟。
うちの猫はベランダ伝いにお出かけで、どこかで甘えた声で鳴いている。
ほぉら、やっぱり。
普通の心地よい毎日と洗濯はつながっている。(久保)

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